冬がやってきた

最近めっきり寒くなってきた。しかも急激に冬が来た。あなたは、この寒さが何日の何時からやってきたかご存じだろうか。私はそれをはっきりと知っている。それは月曜日の3時からだ。急に空が黄緑色になって、突風とともに豪雨がやってきた。あまりの轟音に何が起きたのか、私は一瞬それを理解できなかった。なんだなんだ、と外を見ると外が黄緑色だ。そしてなんだか白っぽい。それが雨だと気がつくにの3秒の時間がいった。「なんだ、雨か。それにしても風が随分吹いてるな。。」などと思いながら私はそんな時に自宅の中にいる幸せ感に浸っていた。豪雨などが降る中、家の中にいる気持ちよさといったらこの上ない。「こういうのを本当のヒーリングというのだ。」などと独り言を言ったりなんかしちゃったりしながら、その優雅な気分とは裏腹に、あわてて洗濯ものを取り込んだ。
豪雨はすぐにやんだ。30分も降らなかったかもしれない。その雨が上がったあとから急激に冬はやってきたのだ。まちがいなくあれは冬の訪れをしらせる雨風だった。
どっどど どどうど どどうど どどう
青いくるみも吹きとばせ
すっぱいかりんも吹きとばせ
どっどど どどうど どどうど どどう
そんなこんなで派手にやってきた今年の冬である。
子供の頃は冬が大好きだった。寒くなければ人生は始まらないだろ、というくらい冬が好きだった。凍てつく空気を身体いっぱいに吸い込むすがすがしさはこの上ない。いつも私は体操着にジャージの二枚しか着ない人だった。「それで寒くないのか?」という質問を子供の頃に何度されたかわからない。寒いなんて思ったことも感じたこともなかった。第一そんな質問、何のためにするのか理解できなかった。相手は私が「うん、寒いよ」と答えてくれて共感を共有したいのか、「いいや、寒くないんだよ」といって宇宙人か異邦人をみるような目で私をみたいのか、その質問の意図が何か子供の私にはわからなかった。
そんな私であったから、春が死ぬほど嫌いだった。もわっと暑くて花とか咲く春が大嫌いだった。蝶々が飛ぶ季節はほんとに嫌いで、頭痛がした。
しかし大人になって血液の循環が悪くなると、冬は寒くてかなわない。あの子供の頃の冬に感じたすがすがしさを感じ取ることができなくなってきた。これは身体の機能によるものなのか。はたまた精神の堕落なのか。子供の頃は前世の修行の後が色濃かったものの、大人になってすっかり堕落した生活に慣れ、寒さに耐えきれない肉体と化したのかもしれないとか思ったり思わなかったり。そんな精神論みたいなものをこんなところで引きあいにださなくてもいいだろう!?これは身体の機能の問題さ、と言いたいところだが、真実は闇の中である。

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