抽象性と具体性

占星術というものを考えた時に、
たとえばサビアンシンボルとかはとても抽象的だと思うけれども、
その抽象性というのがとても大切だ。
その抽象性こそが、我々の心に真に迫るものがあり、
それを具体的に現実の○○であるというところに落とし込むのは、
はっきりいって、間違っているのではないか、と友人が言っていた。
私はその意見に賛成だ。
>思考は具体的になればなるほど、
>現実の些細な違いハマり込んでいって本質を見失い
>損得にや実利に向かう。
>それはとてもエゴイスティックな世界になる。
その通りだと私も思う。
EFTの体験記を書いてたら、メッセージをいただいた。
>拝読して、
>安田隆氏の
>「あらゆる意味から自由に成った時、あらゆる意味とつながる」
>という言葉を思い出しました。
なるほど、と思った。
例えば占星術を理解したいと思った時に、
7ハウスに木星が来たからデビューに良いですよというのは、
確かにそうなのだけれども、
でも、本当にそのように天体を使えるかというと、
使える人もいるし、使えない人もいるというのが事実で、
その差はなんですか?というと、
本当は、一度、天体の全ての意味から解放されて、
高い抽象的思考に入っていき、
形がなくなるような世界に行き、
そこから、具体化した世界に入らない限り、
正確にその天体の意味へと繋がらないのではないだろうか。
成功者は大抵、抽象思考をする。
必ず「人生とは」なんていう名言をしている。
今日、明日のことで手一杯ではない。
いまここ、この瞬間に、入り込んだりしない。
本当のリアリティは「この瞬間」ではなく、
抽象世界にあるからだ。
具体的なところでどんなに横移動しても、
願望実現などしないよ。
つまりは、抽象思考ができた時、
初めて、この世の具体的なことを取り扱うことができる。
抽象思考を理解しないのであれば、
そんなのわけわからん、なんていう人は、
この世は扱えない。
ただ翻弄されるだけだ。
だから、占星術はできるだけ抽象的であるべきだし、
人類に抽象思考を提供するものでなければならないと思う。
私はそう思っている。
でなければ、それはただのエゴイスティックな世界になってしまうのだ。

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