私の父はクラシック音楽ファンで、
クラシック音楽のヘビーユーザーだった。
休みの日ともなると、色んな音楽が流れていた。
子供の頃、ものすごく感動したのは、ベートーベンの運命の3楽章とか4楽章とか、
リヒテルのショパンだったりした。
ベートーベンの運命は小学校の頃、3楽章と4楽章だけを、
何度も聴いて、泣いたりした。感動した。
そして、ショパンといえば、いつもリヒテルだった。
父はなぜかいつも
「リヒテルは普段はショパンなんか弾かないんだ。だからこのレコードは特別なんだ。」と言った。
しかし、その話しは全く本当ではない。笑
だが、私は毎回そう言われながら、レコードを聴かされたのだった。
父が死ぬ間際にずっと寝床で聞いていたのは内田光子のモーツアルトのコンチェルトと、
内田光子のシューベルトのソナタ21番だった。
内田光子のイッチャッテル感が半端ないが、素晴らしい。
ひたむきな情熱が本当に素晴らしい。
私は昔テレビで内田光子がシューベルトのソナタの21番を弾いてるのをみて、
ものすごい感動をした。
筑紫哲也のニュース23で、演奏していたと思う。
あれから私は、シューベルトの21番に関しては内田光子以外の演奏が聴けない。
ソナタの21番は、シューベルトが作曲した最後のソナタで、
死の床で書いた曲だ。
あの世へと誘う曲なのだ。
それは、もう死が近づいたシューベルトが、
あの世からの声を聞く。
そして、突然に天上界を垣間見る。
心は遥か遠くを旅するのだ。
そして強い感動とともに、この世の全てを感慨深いと思う。
でもシューベルトは決して酔わない。
冷たいのに温かく、温かいのに冷たいのだ。
そして曲の中で、この世とあの世。その境を何度も何度も行き来する。
この世とあの世は地続きで、本当にただページをめくるかのように、
シューベルトはあの世とこの世を行き来するのである。
それがこの曲である。↓
本当に美しい。
父が死ぬ前にこの曲をずっと聴いてたかと思うと胸がいっぱいだ。
この曲を演奏者視点からみると、
こういう古典の曲は、よく左手が「ドソミソ、ドソミソ」という形の分散和音が良く出てくるが、
こういうのが一番難しいと思う。
こういうのを、綺麗に弾くというのが、ほんっとうに難しい。
これを本当に綺麗に弾くには、延々と左手だけを、いろんなリズムをつけながらゆっくり弾く練習していく。
ショパンならば、たいていは一番低い音にだけ重みをいれて、後は抜いていく。
でもこうしたシューベルトの場合は、それができない。
そこがムズイ。誤魔化せない。
さらに、粒がそろいながらも、左は左で歌うように弾いていくのだ。
絶対に無表情にならないように。機械にならないように。でも粒はそろえて。
それができると、音楽は万華鏡のように広がっていく。
そこにいたるまでは死んだ魚みたいな演奏である。
曲を練習しだしたら、その万華鏡をめざして日々格闘するのである。
それは時に「こんなことして何になるのだろう・・」遠い目・・
と思わせるものだが、
人生をそうした時間で埋めていくのは、悪くない。
悪くないというか、 それは素晴らしいものだ。
この世では確かにそれはお金にもならないし、
何にもならないものかもしれないが、
あの世に行ったら、、、そう、セケトにたどり着いた時には、
それがどんなに素晴らしい生き方だったかを、その人は知るだろう。
この世のすべての音楽家に幸おおからんことを!
インナースペース瞑想会4月22日
4月22日に、長谷川友美さんとインナースペース瞑想会を行います。
場所は逗子です!!
海のすぐわきの会場です。
新宿会館といいます。
畳の部屋なので、ゴロゴロしながら行えるということです。
場所はこちら↓
http://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/14208/21431126998/
今回は初めて参加される方にも、
わかりやすいような、視覚化ワークなども入れてみます。
視覚化に関しては、訓練しかないです。
でも、訓練すればできるようになりますよ。
その訓練法や、実際にこんな風に見えるんだよ的なワークを4月22日はやってみましょう!
そして海で遊ぼうぜ!!
お申込みはこちら☆