小さい頃は、いつも、大勢で遊ぶのは嫌いで、
自分の好きな子と、二人で遊ぶことしかしなかった。
小3の頃、すごく仲のいい岡田ゆかりちゃんというお友達がいた。
よく私の母は、私が連れてくる友達が、いつも美人ばかりだと囃し立てていた。
私はまったくそんなつもりはないし、
子供の私はそんな目で友達を見てるつもりはない。
母はその、ゆかりちゃんの事がお気に入りで
「可愛い!」と連発し、
「小学生から色っぽい子っているのよね!」
「透明な上品な色気なのよ!」
と、父に興奮して話し、
ゆかりちゃんの透明な色気と美貌にほれぼれしているようだった。
普通の女子なら、母親が自分の友人を
美人だの可愛いだの言ったら嫉妬とかするのかもしれないが、
私は自分のガールフレンドがほめられるのは、
最高に良い気分だったのだ。
私はゆかりちゃんと二人で遊ぶのが好きで、
そこに誰かが介入するのが大嫌いだった。
だから、集団で遊ぶとかは、とても苦手だった。
その、ゆかりちゃんは30歳くらいで亡くなった。
2人でよく変な歌をつくってうたったなぁとか思う。
私の作った変なピアノ曲を最初に聴いてくれるのがゆかりちゃんだった。
クラスが変わってもよくよく遊んだ。
カイトを買って空高くあげたり、山でグミとかとって食べてたりしてた。
よく江戸川で泳いだりもした。
江戸川の向こうに見える街に、あれは何だろうね、行ってみよう!と、
自転車で川の向こうまで行った。
しらない街を探検するのは面白かった。
江戸川は意外に川幅があって、
子供が自転車でいくのは結構な距離があった気がする。
今でも、川を自転車で渡る夢をよく見る。
ゆかりちゃんは川の向こうにいるんだ。
今、思えば、とても贅沢な時間だった。