私は思うのですが、ユングはいわゆる心理学者ではありません。
人の気持ちや考えや性格などを分析した人ではないです。
ユングは人間の深層意識の秘密の領域を探求した人です。
「人類の歴史が眠る宝庫」を探求した人なのです。
それは意識の探究であり、ヘミシンクやヒプノ、
シータ波リーディングといった領域と同じ領域なのです。
「え?ユング?ただの心理学者でしょ?」
そんな心理学というような大きな枠で簡単にくくらないで欲しいです。
ユングはとても直感的な人でした。頭で分析して論理づくめにした人ではありません。
とても霊感と直感に満ち満ちている。そしてそれをきちんと解説した人なのです。
ブルース・モーエンも松村先生もおっしゃっています。
知覚者と解釈者は一緒に成長すると。
どんなに知覚できても、そこに解釈者がいなければ、
知覚できたことを説明することができないですが、
しかし、知覚できたならば、いずれは必ず解説者が育ってくる。
それらは両輪で一緒に育つものです。
ですから、説明できないということは、知覚はあまりできていない。
真に知覚できたならば、解説者が育つのは時間の問題です。いつか解説できるはずなのです。
「直感的にはわかってるんだけど、説明できないんです」
これは本人はわかってると思っているかもしれませんが、
あまりわかってない可能性が高いのです。
直感的にわかったなら、知覚できたならば、時間はかかっても、必ず説明はできるはずなのです。
真に頭が良いというのは知覚(直感)と解説(分析)の両方ができることです。
ユングは優れた知覚と解釈者の持ち主でした。
そして、その優れた直感と分析から、私たちに人生の地図を提示してくれているのです。
生きる羅針盤を後世の私たちに残してくれているのです。
ユングは、言っています。
ペルソナを正しく育てた人は
40歳前後からくる中年の危機を乗り越えて、真の自己実現へ向かうと。
ここでつまづく人は多い。 つまずくと、その後の人生が泥沼化すると。
この中年の危機を超えるには
健全なペルソナを40歳に先立つ前に築いておくことが必要だと言っています。
その中年の危機以降に、「統合化」というステップが出てくるのです。
私たちが40歳前までに、ペルソナを築くためには、
自分の性質の一面を極めることが必要でした。
例えば、「自分は察する人である。」という側面があるならば、
そうした側面をどこかの場所で極めて来たはずです。
「職場で、私はいつも人の気持ちに察して行動できる・・」などという感じかもしれません。
「家での私は細かい」というならば、
家ではいつもテレビとかをみて、色々細かく分析したり、
家の中の整理整頓などに細かく注意するタイプかもしれません。
正しくペルソナを育成するには、
どこかの面を2~3に絞って極める必要があるとユング先生は言っています。
そうして、色々な自分の性質の中から一面を選んだ私たちは、もう一面は無視してきたはずです。
例えば、それまでは「感情的」な人格を育ててきた人ならば、
もう一面の「理論と分析」という側面は無視してきています。
その無視してきたもう一面がこの中年の危機の時に表出してきます。
それと直面して、それを獲得せねばならぬ出来事が起きてくる。
これはまるで、
「死ぬ間際に自分の逆像が迫ってくる」という松村先生のお話しを彷彿とさせます。
要するに、その死ぬ間際に起こる現象のひな形が、
この40歳前後の中年の危機に起こるのだと思います。
無視してきた一面が中年の危機に現れてくる・・
これは中年の危機を正面からぶつかった人、逃げずに直面した人なら理解できる。
「そうだ、そうだ」とうなずけると思います。
中年の危機を怖いし、逃げたい、と思って逃げた人は、この自分の逆像に直面していません。
そうなってはいけない、とユング先生は言っているのです。
これを自分の逆像ととらえるか、もしくは「ただの危機」ととらえるかでは、
その後の人生に雲泥の差がでると言えるのではないでしょうか。
「ただの危機」は誰でも避けたい。
でもこの40歳前後で起こるクライシスにはただの危機とはいえない深淵な意味があるのです。
あなたが真の意味での自己実現をするのに必要なステップなのです。
これは占星術でも言われているところです。
松村先生のところで占星術を習った人ならば、
この中年の危機をどう過ごすべきか、どう思考の転換を行うべきなのかというヒントを
松村先生のお話しなどで聞いているのではないかと思います。
ユングはただの心理学者ではないゆえんです。
天体の動きからくる、人の人生のパターンというものも彼は理解していたのです。
つづく。
コメント
SECRET: 1
PASS: 4345c410d5ae7bf2af28b737dc5c17a7
中年の危機をどう過ごし、どう乗り越えるか。
続きを楽しみにお待ちしております。