守・破・離

写真 (16)
日本には素晴らしい思想があります。
 守・破・離 という思想。
これはもともと茶道の教えです。
wikiではこう書いてあります。
守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。
「守」は師の教えを守ること。これがまず第一歩です。
守れないならば正しい技術を学びとることができません。
充分に学びとった人は「破」の段階に入ります。師の教えを破る段階。
師に教えられたままではなくそれをいかに自分のスタイルにするか、という段階に入る。
自分が作り出したスタイルを立脚した人は、師のものとから離れる。
「離」の段階に入ります。離れて本当の意味での自己実現をする段階なのです。
もう師のもとにいることはできません。
私はピアノを習ってきましたので、よくよくこの「守破離」に関しては考えることがありました。
私はもともととても素直な人間で、
先生に言われたことを完璧にマスターしようと努力するタイプの人でした。
「守」というのはわりと得意といいますか、言われたことは絶対にこなす、とか得意系です。
いつものようによくよく練習してピアノの師のところに行くと、
先生はひとしきり私の演奏を聴いて言いました。
「いつまでも、私の言う事をきくのはやめなさい。」
   ええっ!???@@;驚!
「そろそろ、’自分’というものを出していいころでしょう。自分ならどう弾きたいか、どうしたいか、それを考えて弾くべきですよ。」
   はぁ? 
私はこの時、目から20枚くらい鱗が落ちました。
でも、先生はそれは口先だけで(爆)実際勝手なこと弾いてくると、こっぴどく怒るんです。爆爆
「私は教える立場だから、口うるさくあれこれ言うけど、それでもいう事きかない子はきかないわよ。あれだけ言ってもいう事きかないという態度をみると、ああ、これがこの子のやりたいスタイルなんだなと思って、放置するの」と。
   はぁ。。要するに、先生の口うるさい攻撃は受けるけども、
   それでも私はこう弾きます!という態度を示せよ、ということか。
   結構ハードル高いな、それ。汗。
(クラシック音楽関係者ってみんな気が強いですよね。可憐にみえても芯がものすごく強いです。気が強くなければ習い続けられないです。心臓に毛が生えてないと無理ですよ。どんなにビビっても最高の演奏をするという飽くなき挑戦に挑んできていますから!そして厳しい訓練を経てきていますから!)
でも、守・破・離 の「破」というのはそのくらいのパワーがなければできない事です。
師の教えを破る。簡単ではないです。しかも「守」ということが徹底てきにできて、
初めて「破」の段階に入る。
この教えの裏には
「守」さえできない人は「破」の段階に入ってはいけない、という意味もあります。
ものには順番があるんだよ、という教えでもあるんです。
でも徹底的に「守」ができた人は、
自分の内に沸き起こるような「破」のエネルギーが生まれてくるのを感じることができると思います。
ここでポイントは徹底的に「守」ができるということです。
ここが甘いと、「破」のエネルギーは弱くなります。
ときどき、教えをまったく守れずに破る段階にイッチャッテル人いますよね。爆
それ、一瞬魅力的にみえても、たぶん長く続かないかもですよ。
守という段階は大切ですよね。これがその人の土台になりますから。
底辺ががっちりしてなければ、上に積み上げることはできません。
そうすると本当に意味での「破」段階に入れないのです。
これって、まるで中年の危機みたいだなって思います。
自分が築いてきたペルソナ、その逆像が現れて、一度壊れていく。
そして再構築していくその過程は、この破る段階と雰囲気がよく似ています。
それには徹底的に、ペルソナを構築していることが必要でした。
このペルソナの構築が甘いと、中年の危機を上手く切り抜けることができません。
徹底的に師の教えを守れる。それは健全なペルソナを築くこととよく似ています。
そしてそれができた人は「破」の段階に入る。
うずくように、自分の内側から湧き出るような「破」のエネルギーが出てくる。
そうして、破の段階を経て、自分のスタイルを築きあげた人は師のものと離れていく。
これは本当にそうですね。
ピアノもある先生にしばらく4~5年間、習っていると、
最初は感動的だった教えもあるときから、自分と合わないと感じてくる。
これは違うな、と思う部分が出てくる。
そうして自分のスタイルを感じ始めるときがでてくる。
そこはチャンスなんですよね。
そして、どうやってこの教えを破ったらいいかと考え始めるのです。
この段階はものすごく葛藤があります。
自己否定感とか、先生への抵抗感とか、いろんな感情が渦巻く時期です。
そこで自分をしっかり見つめないとならない。
葛藤を統合化していかないとならない。
とても難しい局面です。
葛藤しながら、もがきながら自己のスタイルを築いていく。
自己のスタイルを築く過程で、自己否定感を超え、先生への葛藤を超えた人は、
全てに感謝するような段階へと向うのではないかと思います。
わたしはそんな気がしました。
それがなくては、本当の意味での自己のスタイルというものができないからです。
そうして自然と卒業・・の時期がきます。
それは「あきらめる」とか「残念だけど終わり」、、というような感じは全くありません。
目の前に私に用意された大海原へ漕ぎ出す、希望に満ちたワクワクした感じです。
全てが納得いき、統合化してるという感じでしょうか。
感謝と慈愛に満ちた段階という感じでしょうか。
日本古来の守・破・離。。これってとっても奥が深いです。
これは誰かにいつまでも依存していてはいけませんよ、という意味もあります。
あなたの道を行きなさいという教えでもありますね。
自己実現のための大切なステップを古来の人は提示しているのだと思います。
さぁ、行こう!
次のステップへ!
ゆっくりとした足取りでいい。
自らの探究・自己実現へ!
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