中年の危機と天の意志

昨日、「そして、中年の危機は結局どう乗り越えたらいいんですか?」という
コメントをいただいた。
夏ごろユング先生の中年の危機についての記事をいくつか書いたことがある。
その話は、結論を書くにいたらずそのままになっていた。
ここ数日、私は、
「使命を遂行するというのは自分を手放して、自分のために生きるのをやめて、
使命のための人生を送るという意味ではないか?」ということを書いていたが、
中年の危機は、それを促される時期ともいえる。
今までの自分、今まで自分が築き上げてきたペルソナを捨てなくてはならない、
というようなことが起こる。
私に関していうならば、「あっ」というようなことが突如に起こり、
足元から崩れ落ちるというような体験だった。
もう、これで全てを失うのだ、、というような体験だった。
そこで何をどうしたらいいか・・
頭は真っ白な状態の時に役にたったのは占星術だった。
正確には占星術に詳しい友人からの的確なアドバイスだった。
これから何をどうしたらいいのか、
何か月も寝てない状態が続いたし、
多分私一人では正確な判断というのはできなかっただろう。
占星術に詳しい友人は、自身も中年の危機で大変な目に合ってきた。
それを彼女は一人で乗り越えてきた。
彼女は私に言った。
「いまこそ、人生最大のチャンスが訪れたのだ」
それは神の言葉のようだった。
こうした言葉は本当に自分でそれを乗り越えてきた人でなければ言えないし、言ってはならない。
しっかり乗り越えてきてない人が私に言ったとしても、私には何も伝わらなかっただろう。
そう、中年の危機は圧倒的に生まれ変わる、最大のチャンスである!
しかしユングも言ってるように、上手く乗り越えなければならない。
どうしたら上手く乗り越えられるか。
それにはそれまでにしっかりと自己を築いておくべきだ。ペルソナを築くべきなのだ。
それが築けていれば、その危機のときにはっきりと崩れ去ることができる。
そうして崩れ去ったものを手放すことができる。
逆説的のように感じるかもしれないが、
中年の危機で求められているのは、
しっかり崩れ去ること、手放すこと、自分を明け渡すこと。
崩れ去るには、崩れるための、それまでに築いたものがなくてはならない。
何も形にしてきていない人は、崩れ去ることもできない。
だからこそ、ユングは、それまでに自分の自己を確立してる必要があると言っているのだ。
そして、それを手放せと。
そうすると、そこに冥王星のエネルギーが、流れ込んでくる。
冥王星は宇宙エネルギーである。
それは
「あなたはこれから、自分のためではなく、使命のために生きることをしてみますか?」という
招待状である。
その招待状を受け取るか受け取らないかは、
あなたの選択に任せられている。
もちろん、いざ危機がきたら、受け取ったほうが楽だと思う。
しかし、それまで築いてきた自己を手放すのは惜しい。
このままでいたいと誰もが思う。
でも、それはもう維持できないと、速やかに潔く手放してしまったほうが、
結局は楽だと思う。
天には天の計画がある。
その計画を遂行する人物を冥王星は探している。
中年の危機は冥王星があなたの自我を破壊し、
冥王星の意志(天の意志)を受けいれるかどうかを見計らっている。
もしあなたが天の意志(冥王星の意志)に自分を明け渡すならば、
自分のためではなく、天の意志のために生きる決意をしたならば、
その後のあなたは、自分の天命を手に入れるだろうと思う。
今までの自分を手放し、天からの意志を受け入れる・・・
では、その天からの意志とは何か・・
あなたは何を求められているのか。
知覚の良い人なら、自分の勘で、野生の勘でわかるかもしれない。
自分の勘が頼りにならなければ、占星術は様々なアドバイスをくれるだろう。
占星術は、まずこの危機がいつから始まって、いつ終わるのか、
そうした時期的なことが、はっきりわかる。
時期がわかれば、それまで耐えればいいというのもわかる。
必ず夜明けがくることがわかる。
そして冥王星が(天が)何をどう変化しろと言ってるかというのも
星の運行を見ればわかる。
星はつねに動いていく。
必ず夜明けが来る、、と書いたが、
夜明けが来てしまう・・ともいえる。
今までの自己を捨てずに、すべてを天に任せるという態度を示さずに、
今までの自分を維持しようと頑張り続けても、
夜明けはくるのである。
多くの人はそうして、今までの自分を手渡すことなく自己を保持しつづける。
ユングは、そうすると、正しく危機を超えたことにならず、
その後の人生がくすぶり続ける・・ということを言っている。
なので、結局この中年の危機をどう乗り越えたらいいかというと、
自分を明け渡すということだと思う。
明け渡したときに、自分に流れ込んでくる宇宙エネルギーに身をゆだねることだ。
私に関していえば、
私のお抱え占星術師といってもいい、私の友人は、
「これは、最大のチャンスである」と言い放った。
そう、チャンスなのである。
自分の使命を獲得するチャンスである。
しかし、ここ数日書いたように、
それは、「自分のための人生ではなくなるチャンス」である。
それでいいと思えるには、
そうした正しく強い人格をそれまでに養ってなければならないだろうと思う。
人柱になってもいいというような、しなやかな精神が必要だ。
我欲が強ければ無理だろう。
あれもこれも自分のもの、と思ってる人は無理だ。
しかし、私はそれはそれでもいいではないかと思う。
我欲が強く、絶対に手放さないという生き方もいいではないか。
その後の人生が多少くすぶっていようが、
生きている楽しみを享受できると思うのだ。
みんなが自分の使命に従って生きたら、
地球らしくないし(爆)
それは、シリウスとかプレアデスとかみたいだなと思うし。
いずれにしても、何を選択するかは、あなた自身にまかせられているのだ。

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コメント

  1. 菜穂 より:

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    その通り!
    ありがとう!