ひとりっ子の世界。

昨日は実に面白い体験をしました。

知人と二人で誘導瞑想をかけあったのです。

互いにお題をだして誘導する。

わたしがクライエント役の時に、ある題材でやっていたのですが、

ふっと、子供の頃の、Rちゃんとのやりとりに入りました。

わたしはこのRちゃんが嫌いでした。

Rちゃんは、我がままで、何でも自分の思い通りにしようとするからです。

人を人とも思ってないような傍若無人ぶりに、

わたしはできるだけRちゃんとは遊ばないようにしていました。

しかし近所に住んでいたし、

昔は近所の子はみんな一緒に遊んだので、

低学年のうちは、このRちゃんと遊ばないでいることは難しかったのでした。

わたしはこのRちゃんの傍若無人ぶりは、

ひとりっこだったから、わがままに育てられたからのように感じていました。

「全部自分のもの」「全部自分の思う通り」

いつもそんな風だったのです。

誘導で入った場面は、

お絵かきのシーンでした。

わたしは昔、絵を習っていて、

そのRちゃんもそこに通っていました。

その日は、先生が野菜をたくさん切って用意してあり、

その野菜の切った断面に絵具を塗って、

野菜でスタンプしながら絵をかいていく、そんなお題でした。

わたしはワクワクしながら、

スタンプで綺麗な模様を描いていきました。

すると、Rちゃんが、わたしそっくりにまったく同じように

同じ野菜で同じ色で、同じデザインで描きだしたのです!

「なにそれ!」とわたしは思って、

絵を隠しながら描きました。

するとRちゃんは「みせなさいよ」と怒って、

無理やり私の絵を見ながら描いたのです!!

「ふざけんな、ばか」と心で思いましたが、

若かった私はその言葉が言えませんでした。

そしてその後、絵の先生はこのRちゃんの絵を褒めました。

すごくムカつきました。

人のマネして描いて、それで先生に褒められるってどういうこと!?

このRちゃんとのやり取りは、この場面だけでなく、

いろんな場面で、いつも頭に来ていたので、

今になっても時々思い出していました。

セラピスト役の知人は、

ここでこのRちゃんの中に私を入れたのです。

するとすっごい驚きました!、私は超驚きました!!

Rちゃんの中にはいると、

なんと、

野菜を目の前に、全くワクワクしていない!!!!

ワクワクしないどころか、

「こんな野菜に絵具なんか塗っていいの?

食べ物に絵具を塗っていいの?

それで絵を描くってどういうこと?

そんな初めてのこと、わかんない。わかんない。

答えがわかんない。

でもどっかに答えがあるはず。

正解があるはず。」

そんな言葉でいっぱいだったのです。

そして、その答えは、

となりに座ってる由美ちゃん。(←私)

となりの由美ちゃんは、どんどん絵を描いているのです。

「これが答えなんだ!」ってRちゃんは思っています。

そして真似して描く。

すると由美ちゃんは絵を隠して描く。見せない要にしてきた。

「答えは見せるべきよ!」

「あなただけが答えを知ってるなんてズルい!」

Rちゃんの頭の中で響く言葉はそんな言葉でした。

さらに驚くことに、

Rちゃんの中にはいると、

Rちゃんの中からは、

私はまったくジャガイモにしか見えてない。笑

他の友達も全部ジャガイモ。笑

人の顔とか、表情とか、まともに目に映ってないのです!!!(驚)

本当にそこに自分しかおらず、自分と先生だけ。

先生の存在も、私の中から見たのとは全然違う。

なにか「判断を下す人」みたく映っていて、

先生の人格が感じられませんでした。

私は、他の友達の顔や個性や性格、先生の雰囲気や

現場の空気感、みんなが書いてる、それぞれの絵を感じながら

その場にいるのに、

Rちゃんの中に入ったら、

それらが何もなかったのです!

わ、これが一人っ子の世界なんだ、って思いました。

実はこの誘導をしてくださった知人も一人っ子で、

終わってから、

「もももも、まさにそうなんです!!!」って話しをしてくれました。

「やっとわかってくれる人がいた!!」とさえ、言っていました。

セラピスト役の知人はさらに言いました。

「子供の頃、

周りを見ろ、人の気持ち考えろ、って

さんざん言われたけれども、

すごく難しくてどうしていいかわからなかった。

気を使って話しても、それもわがままって言われた。」

そして、一人っ子にとって ”わからない” ってのは

すごい問題だという話しも。

「先生から出されたお題に対して、

答えがわからないってのは本当に死活問題。

生きるか死ぬかの問題なので、

答えがあるなら、見せなさいよ!って本当にそう。

自分の生死がかかってる。」

なるほど!

Rちゃんはいつも私のマネをして、

それでいて、まるで自分が考えたかのような顔をしているのが、

いつも許せないと思っていました。笑

しかしそんな場面に死活問題を抱えていたとは!!驚!

本当に驚きました。

私にとって、

一人っ子の世界ってこうなんだ!!!

っていう驚きに満ちた体験だったのです!

セラピスト役をした知人は

「これをわかってくれる人がいるとは!」といって、

自分も癒されたと言っていました。

「これをわかって!!!」って、今まで叫びたかったと。

本当に幼いころの、兄弟順位って、

その人の人生の設計書に重要な位置を占めるなと思いました。

一人っ子は、

自分に集中するために生まれているのだと思います。

こんなに人の顔色とかが存在しない世界って、

自分に集中するには、もってこいです。

私のように上に兄がいたりすると、

小さなころから、自分に集中することはできません。

おもちゃを持っていても、取り上げられ、

絵を描いていても、取り上げられ、

それが普通ですから、

その中で、いかに取り上げられないようにする工夫をし、

兄の行動パターンや、気分や、心理を読みながら生きるのが

デフォルトなんですね。

相手を怒らせたら、後で酷い目に合うから、

自分の言動が相手にどのような影響を与えるかを

考えながら話す、行動する。

そうした日常が360日続いていたわけです。

こうした世界は逆に、

一人っ子や、第一子にはわからないだろうと思います。

見えている景色が、一人っ子さんとは大きく違うのだというのを、

身を持って体験した昨日でした。

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